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三宅Style 第7回 神戸 晴行氏(三宅村長期農業研修生)インタビュー

更新情報

「三宅島には何かを引き寄せる力があると思います。」

―農業をしたいと思ったきっかけを教えて下さい。

大学在学中から農業のアルバイトやボランティアをすることがあり、農業の面白さに気づきました。私自身、東京都杉並区で生まれ育ち、都会での生活が長かったのですが、この先も同じような暮らしをずっと続けられるのだろうかと漠然と思っていました。それでも、卒業後は2年ほど貿易関係の会社で外回りの営業の仕事をしていました。一方で休みを利用して長野や山梨などの農業が盛んな地域を回って就農の候補地を探したり、稲作や野菜の体験農園を利用したりしていました。

 

 


―なぜ三宅島を選んだのですか?

2年間の学びを経て、将来的に独立してやっていきたいと思うようになり、研修できる場所を探していました。大島や八丈島での研修制度をネット検索で知ったのですが応募が終わっていて、その後定期的に情報検索をしていたら、三宅島で短期研修が開催されることを知り、2017年6月に参加しました。

実は三宅島についてほとんど知らないまま来てしまったのですが、短期研修で来島した時のことは今でも忘れられません。

初日は私一人の参加でしたが、役場や関連機関そして農家の方々が10名以上も携わって迎えていただきました。これまで行ったことのある自治体でも、出迎えで農業関係の方が勢ぞろいするということはありませんでした。

「三宅島でならできそうな気がする。」なんの根拠もない本能的なものでしたが、温かく迎えていただいてふとそう思いました。

短期研修は3泊4日でしたが、その後長期研修に参加して本格的に農業を学びたいと思い応募したところ受け入れていただくことになり、2017年9月20日に移住してきました。

大学でイタリア語を学んだことも「なぜ?」と聞かれることが多いのですが、三宅島での暮らしを選んだことも周囲から「なぜ?」と聞かれることが多かったです。しかし私にとって二つに共通する答えは、多分人と同じことをしたくなかったからということです。(笑)


―長期研修で学んでいることを教えて下さい。

最初の1か月は三宅島の農業の概要を学びました。現在は、指導農家につきながら、時期ごとの農作物の栽培や収穫を学んでいます。これまでは、例えばパッションフルーツ、野菜、キキョウランの栽培を学んだり、ビニールハウスでの作業について学んだりしました。

また島の特産品である明日葉の収穫や出荷も学んでいます。明日葉は島に来て初めて食べました。最初は苦さにただ驚きましたが(笑)、今では万能野菜として毎日のように調理して食べています。

 


―今後三宅島でやってみたいことを教えて下さい。

長期研修はまだ続きますが、独立後は明日葉の生産を目指しています。畑を借りて現在は開墾作業を進めています。

多くの方のお力を得て畑を借りることになり、身の引き締まる思いです。明日葉は一年中収穫でき、比較的初期投資も少なく済むこともあり、コツコツやれば可能性が見えてくるのではないかと思っています。将来的には市場出荷以外の活用法や販路の開拓などもできればと思います。何はともあれ、まずは明日葉を栽培し、出荷につなげることだと思います。

 

 


―三宅島の好きなところを教えて下さい。

農業に関して言えば、小さな島だからこその顔の見える関係があり、他の地域では同じ作物をつくる農家どうし、年代の同じ農家どうしでつながることが多い中、島では作物も年代も超えてつながることができると思います。

移住してまもなく1年になりますが、三宅島には何かを引き寄せる力がある気がしています。三宅島について詳しくなかった私のような人が、まるで磁石のように島に引き寄せられてきたという話はよく聞きます。(笑)うまく言えませんが、きっと引き寄せられた理由があるのだと思います。

そんなわけで、私は2017年9月20日に移住して2年間は島を出ないと決めて、現在島での連続滞在記録を更新中です。時々船の見送りに港に行き、タラップに足をかけそうになりますが、都心は近いけれどあえて島から出ずに生活してみようと思い実践中です。

指導農家の皆さんや地域の皆さんからはおすそ分けをいただいたり、生活そのものを助けていただいています。(笑)

 


―これから三宅島で研修に参加したいと思う方にひとことお願いします。

場所や農業そのものにあまり強くこだわり過ぎず、何でも受け入れてみようと思う方が楽しめると思います。農業の盛んな地域にはない魅力と可能性が、三宅島には広がっていると思います。

 

 


●指導農家からのメッセージ

菊地農園 代表 菊地 直彦さん

すごく真面目にやっていると思います。ちょっと心配なところは地元に帰ってないようなので、たまには親に顔を見せに行くのもいいんじゃないかと思うけれど。まあそれくらい島が好きで三宅にいるのでいいと思います。

 

<三宅島で農業を目指したい方へ>
「コンビニないけど大丈夫ですか?!」(笑)

 


東山農園 代表 前田 洋一さん

神戸さんはパッションフルーツ専門ではないし、今後やる意欲があるにしても今のところまだ明日葉に意欲を燃やしているので、頑張ってもらいたいです。今後パッションもやるのであれば、応援はできるので。楽な仕事ではないですが、頑張ってもらいたいなと思います。

 

<パッションフルーツ農家をやってみたい方へ>

楽な仕事ではないし、すべて上を向いた仕事なので仕事的にはハードだと思います。ただそうは言っても、毎日の仕事としてやっていれば1週間か10日もすれば慣れてくるのでそんなに苦にはならないかなと思います。来島して挑戦してみてもらいたいですね。

 


明日葉農家 寺澤 睦美さん

頑張っていると思います。実際にこれからやるにあたり、やはりちょっと辛抱すること。頑張らなきゃいけないことがいっぱいあるけれど、周りでいろんな人がやっているので、隣近所のおじさんやおばさんに聞いたりしながら畑のことはやってもらえたら。人のものもたまには見たりするといいかなと思います。私たちはやはり若い人に期待しているので頑張って下さい。

 

<明日葉農家をやってみたいと思う方へ>

誰でもできると言えば誰でもできるけれど、やはり好きであってほしいです。農業が好きだったり、明日葉が好きだったりすれば長続きするかなと思います。長くやらないと自分の生活とか利益につながらないので、あまり気負わないでやってもらえればいいかなと思います。今何人もの人が始めているので、その仲間になりたかったら、是非頑張って下さい。


一般社団法人 三宅島農業振興会 代表理事 会長

薄木農園 大年 健士さん

三宅は若い農家の人が少ないので、神戸さんが東京から新たに入ってくれることはすごく楽しいし、嬉しいです。

 

<農業研修に参加したい方へ>

農業が好きで興味があれば、とりあえず来てみて、三宅の農業というものを知った上で、やるかやらないか判断していただけたらと思います。

 

(2018年7月17日~23日インタビュー 聞き手/木村美砂)


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